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風流なひととき

梅雨は果たしてどこに行ってしまったのか。そのように感じる日も多くなってきました。

暑さは昨年に比べるとやや落ち着いているようですが、暑い日は暑いですね。

 

先日、なかのじょう山里テーマパークのピザ焼き&蛍鑑賞会に事務局スタッフと作家の松永直さん、セキ・イコネンさんたちと参加してきました。

なかのじょう山里テーマパークの会長宅のお庭に集合し、あたりが暗くなるまではピザを食べて、そのあとに蛍を見に、近くの沢沿いを散策するという流れでした。

そのピザは皆で成型し、会長の手作りだという立派なピザ釜に次々と置いて、5・6分ほどで焼きあげて、そうして出来上がったものから皆で食べました。

 

ちなみに、このピザづくりから、私たちも参戦しました。袋に入ったピザ生地を綿棒で薄く丸く伸ばして、フォークで穴をあけ、その上にソース・具材を乗せて・・・。言葉で表していると簡単な作業に思えますが、実はこれが中々難しい作業でした。

ピザというと、冷凍のものだったりお店で焼かれたりしたものを口にすることが多いですが、自分の手・あるいはそこにいる仲間の手で作られたものとなるとそれ以上においしく感じられますね。手作りマジックです。

焼きあがったピザや付け合せのものを食べ、ときに会長がお孫さんのためにつくったというブランコで軽く運動して胃の中身を調整しつつ、あたりが完全に暗くなったころ、いよいよ蛍狩りに。

はたして蛍は見られるだろうかと不安を抱きつつ、近くの沢をぞろぞろと歩いていると、そのような不安を吹き飛ばしてくれるほどたくさんの蛍がみられました。スマホのライトや懐中電灯のあかりよりもほのかな光がふんわりと漂うさまは、見ていてとても心安らぎました。

ここ最近の目の疲れも吹き飛ぶ勢いでした。

そんな穏やかな空気の中、まるで若者のように駆け回り、蛍を捕まえているなかのじょう山里テーマパークの皆さん。俊敏な身のこなしでスマートに蛍を虫取り網や手で捕まえている姿は見ているこちらもすがすがしい気持ちになりました。

そこからはホタルブクロという紫色のかわいらしい花に、実際に蛍を入れてみたり、進んできた道をふと立ち止まり、振り返ってみると多くの蛍が飛び回っているのを見てみたり。各々で蛍とのふれあいを楽しみました。

蛍を入れたホタルブクロは小さなぼんぼりのようで、目に優しくとても綺麗でした。

今回は私たちのほかにかわいらしい参加者さんもいました。煌々と輝く蛍が何匹も収まる虫かごを抱え、とても嬉しそうでした。(なお、捕まえた蛍は鑑賞した後、逃がしています)

段々と自然と触れ合う機会が減っている今、このような貴重な機会を得られて、良い経験・思い出になりました。

※蛍の写真は暗闇のため、自前のスマートフォンでは撮れず・・・。

 

みなさんもこの夏は自然と触れ合ったり、日本独特の文化に親しむ計画をたててみてはいかがでしょうか。

 

( Mio )

たくさんの「はじめまして」をこれからも。

はじめまして、新しく事務局スタッフになりました。
スズキといいます。よろしくお願いします!

北海道より、中之条に移住したばかりの私にとって、
中之条では、毎日、たくさんの「はじめまして」があります。
そんな、中之条初心者の私が、これまで出会った「はじめまして」をご紹介します。

1つ目は、中之条の小中学校にビエンナーレ作家の方が伺い、行うワークショップを夏休み前のこの時期に、開催しています。

私も一緒にスタッフとしてお邪魔して中之条の子ども達とお話しする機会がありました!
はじめて会う中之条で生まれ育った子たちはどんな感じなんだろう…とどきどきしていましたが、

素直で笑顔が素敵で、夢中になって取り組むきらきら輝いた姿がありました。
また、中之条の子ども達にビエンナーレ会期中に出会えることを楽しみにお待ちしております。
ぜひ、年代問わず、ビエンナーレでアート作品をみて、色々な見方や考え方にふれていただけたら良いな、と思います。

中之条ビエンナーレ親睦会 in ニューサイトウ

そして、2つ目は、中之条ビエンナーレ実行委員会主催の親睦会が行われました!
滞在されていた作家の方々、実行委員会の方々、スタッフ、
なんと、中之条町長さんまで!
…などなど日頃ご縁のある皆さんが集まり、交流を深めることができました。
このような場に来て、改めて、多くの方々が中之条ビエンナーレに関わってくださっていることに

感謝の気持ちがこみ上げました。本当にありがとうございます。
ここに集まっている方だけでなく、多くの方々に支えられ、繋がり、続いています。
今年も、さらにご縁が続きますように。
たくさんの方に楽しんでいただけるように、がんばります!

 

(スズキ)

中之条町に『素敵』が増えます。

お久しぶりのブログ更新です。

先日の台風と大雨の影響で各所に被害が発生したようですが、皆様はご無事でいらっしゃいますでしょうか?
最近は、天候だけでなく気温も不安定で、急な猛暑日になる事も多いですよね。
どうか熱中症などにもお気を付けてお過ごしください。

ありがたいことに、中之条町は先日の大雨での大きな被害も無くいつも通りの日常を過ごしております。
天気の良い日は新緑が美しく、日頃のパソコン作業で蓄積された眼精疲労が癒されます。

更なる癒しを求めて向かったのは中之条町市城にあるお店『うた種』さん。
https://utatane100.wixsite.com/utatane
こちらは木々に囲まれて、ちょっぴり隠れ家な雰囲気がとても素敵な手芸とカフェが楽しめる雑貨屋さんです。
今回は可愛い猫の一筆箋とマスキングテープを見つけて購入しました!
猫グッズが豊富で、猫好きな私にはたまらないお店です。見てるだけでも最高。
今度はまったりとカフェでドリンクも楽しみたいですし、店主様に教わる洋服作り体験もぜひやってみたいです
(私は信じられないくらい不器用なのでご迷惑かけるかもしれませんが…)

そんな魅力的ポイント満載なうた種さん、実はミニギャラリーもあるんです。
そして只今、糸井潤さんの写真展が開催中!!

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糸井潤写真展「Exomania – 「旅」について」
2023年6月2日(金) – 7月9日(日)
うた種 ミニギャラリー(群馬県吾妻郡中之条町市城1514)
10:00 – 16:00 (土日祝11:00 – 16:00 – 火水定休)

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糸井さんが世界中を旅した時の写真がズラリ。

旅先の何気ない一瞬の切り取りから、様々なことが想像されて、じっと見ていると写真の中の風景が動いて風や匂いが漂ってくるような不思議な感覚に。
まるで自分自身も旅をしているような気分になれる、そんな洗練された空間でした。
特に個人的にとても好きだったのが、犬が窓際から外を見つめている写真です。
犬のなんとも言えない表情や雰囲気に胸を打たれました。あの視線の先には何があったのかな…。
展示の中からお気に入りを見つける楽しみ方もおすすめですよ。

さてさて、良い気分で帰ろう~と思ったところで外に出ると、うた種さんからすぐ近くにある可愛らしい色合いの小屋の中でせっせと作業中の方を発見。中を覗いてみると爽やかな笑顔で出迎えてくださったのは原沢香司さん。
原沢さんが店主としてこちらの小屋で本屋をープン予定なんだとか!
その名も『フクロコウジ 旅と本と人』
 ※詳細はwebページをご確認ください→https://fukurokouji.studio.site/

こちらの本屋では旅をテーマにした本を中心とした新書を販売するそうです。
また、原沢さんの今までのお仕事の経験から旅行代理店として旅の相談も受けてくださるとのこと。
本に囲まれて旅のイメージを膨らませる…
新くて素敵な場所が中之条に増えますね。とてもわくわくします。
 

7月1日(土)のグランドオープン記念として、糸井潤さんと対談イベントが開催される予定です。
とても興味深いお話が飛び出してくるのではないでしょうか。

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フクロコウジ 旅と本と人
オープニング記念対談
糸井潤 ✕ 原沢香司 
「旅と写真と本のこと」
7月1日(土)13:00〜
群馬県吾妻郡中之条町市城1514
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中之条町へお越しの際はぜひ立ち寄ってみてくださいねー!
 
 
(Mina)
 
 

拝啓、うつり住みまして

11月19日~12月11日の約3週間、中之条ビエンナーレをきっかけに中之条町・群馬県内に移住した13組のアーティストによる「拝啓、うつり住みまして」という展覧会が中之条町で開催され、先日無事に終了しました。
中之条ビエンナーレ事務局も準備や受付などお手伝いさせていただきました!

実は、この拝啓展は今回が第2回目となります。第1回目は2018年に開催され、その時は中之条に移住した6組のアーティストが参加しました。
それから約4年。今回は中之条のみならず県内に移住したアーティストが参加する形となり、参加アーティストが倍に増えたため、旧廣盛酒造のメイン会場をはじめ、旧綿貫電機・旧まんじゅう屋・旧井上畜産というちょっぴり中之条ビエンナーレ気分を味わえるような会場と規模での開催となり、それぞれのアーティストが個性豊かな作品を発表していました。
受付には、参加アーティスト自身が毎日交代でシフトに入って対応をしていたので、今日は誰に会えるのかと楽しみに来る方も多かったようです。

『こんなに素晴らしい作品を無料で見ていいんですか?』と驚かれる方ばかりで、『見落としがあったらもったいない!』と、時間さえあれば何回も足を運んでくださるお客様も多くいらっしゃいました。
少しずつ作品の様子がバージョンアップされていくものもあったので、毎回新しい発見があってその変化に気付く楽しみもあったようです。
また、当初は予定していなかったアーティストトークが会期後半に急遽開催され、十分な広報もできない状況だったにも関わらず、たくさんの方にお越しいただき大盛況となりました。

13組のアーティストの内、9組が3日間に分けてトークを行い、寒さとの戦いもありつつ来場したお客様は熱心にアーティストの話に耳を傾けていました。
トークの内容によって、会場がピリッと静寂な雰囲気になったり、大きな笑い声に包まれたり…。
その場に居ないとわからない空気感や一体感、お客様とアーティストの表情、声のトーンなどを体感できるのはやっぱりとても心地よいものでした。

これは私の個人的な考えですが『うつり住む』というタイトルのように、アーティストは旅人の一面もあると思っているので、次回も同じメンバーでの展示は見られないのかもしれません。
このメンバーで、この場所で開催できた今回の拝啓展は非常に価値のあるものだったのではないでしょうか。

この先の中之条町周辺にアーティストに限らずまた新しい風が入ってきたとき、どのような変化が訪れるのか今からとても楽しみです。

(Mina)



秋晴れの日に

先日、浅間山に初冠雪が確認されました。
厚手の服を引っ張り出し、こたつ布団を準備して…といった感じに慌てて冬支度をした方も多いのではないでしょうか?
と思ったら、本日は20℃超えの秋晴れ。
日差しが暑いくらいです。

ぽかぽか陽気のイサマムラの外を歩いていたら、なんだか凄く目立つ花を見つけました。

【アツバキミガヨラン(厚葉君が代蘭)】という名前らしいです。
花言葉は『颯爽とした』
なにそれ、かっこいい。

青空に向かって堂々と咲いている姿はまさに颯爽としていました。
みなさんも探してみてください。

(Mina)

「復活」

新型コロナウイルスの影響で中止が続いていた伊勢町祇園祭が3年ぶりに復活。
9/3,9/4の2日間に渡り開催されました。

「伊勢町祇園祭は、『半年にわたる農作業の疲れを癒し、豊かな恵を神に感謝すること』と、『伝染病発生の多いこの時期の、疫封じの神「牛頭(ごず)天王(てんのう)」への信仰』という、二つの意味が合わさった行事といわれています。 (中之条町観光協会HPより引用)」

それぞれの地区の名前が入ったお揃いの法被とハチマキ姿ですっかり《祭りの人》に変身している町民の皆さん。
道沿いに並ぶ出店から美味しそうな香りが漂い、色鮮やかな山車と賑やかな祭囃子…。
ん-!そうそう、この感じー!!!これぞ日本のお祭り!!!たまらない…
普段とは違う雰囲気の町民の皆さんのお祭り姿が、かっこよすぎて…emotional.

まだまだコロナの影響もある中で、このような大規模の催事を決行することに葛藤もあったと思いますし、
3年ぶりの復活となったので準備段階からさぞ大変なことも多かったのではないでしょうか。
本当にお疲れ様でございました。そして、開催してくださり本当にありがとうございました。

そんな伝統ある素晴らしいお祭りの「千人踊り」という行事に中之条ビエンナーレ事務局スタッフも参加させていただくことに。
事務局スタッフには、地域おこし協力隊として県外から移住してきたメンバーがほとんどなので、「自分の地元では体験出来ないお祭りの雰囲気が楽しめる。」と、かなり喜んでいましたー!

踊りの演目は【中之条音頭】と【マツケンサンバ】
(なぜマツケンサンバがチョイスされているのか聞きそびれました)
実は1回だけ、仕事終わりにツインプラザへ集まって地元の婦人会の方に教えていただきながら練習会に参加しましたが、なかなか複雑な踊りでダンス初心者には難易度が高く1回だけではほとんど覚えられず(泣)
筆者は沢田地区出身なので、【四万の湯けむり】だったら踊れるのですが…!
しかしもう、とにかく踊るしかないのです!やったるぞ。

前日は雨でしたが、本番当日は青空が広がり夏が戻ってきたような陽気に。
中之条町役場の法被をお借りして一気にお祭り気分になる事務局スタッフ。
ずらーっと長い列に並んで、いよいよ千人踊りスタート!!

事務局スタッフ、踊るのに必死過ぎてみんな真顔です。


千人踊りは、中之条駅前の交差点からスタートし伊勢町のファミリーマートでゴール。
【中之条音頭】⇔【マツケンサンバ】をひたすらリピートしながら約650mほどを踊りながら進んでいきます。

\\暑い!!踊りわかんない!!意外と距離ある!!前列のZEROSENギャルたちが元気すぎる!!//

いろんなことに圧倒されながら必死に見様見真似で踊ります。
そしてゴールした瞬間の達成感、それはそれは爽快でした。普段は車で通っている道を自分の足で踊りながら進むなんて、よく考えれば貴重な体験ですよね。
めちゃくちゃ楽しかった。本当に参加出来て幸せでした。ありがとうございました!

夜になって最後はフィナーレの八木節踊りからの一糸乱れぬ祭囃子。ものすごい迫力と完成度です。
きっと、それぞれ学校やお仕事終わりに時間を割いて夜遅くまで練習されたのでしょうか。
皆さんの情熱に胸が熱くなりました。

来年も伊勢町祇園祭が開催されるとしたら中之条ビエンナーレ2023本展スタートの約1週間くらい前の時期なので事務局はかなりバタバタな時期かと思われますが、ぜひまた参加させていただけたら嬉しいです。
次回は完璧に踊れるようにばっちり練習したいと思ってます!笑
その時に中之条に滞在している作家さんもぜひ一緒に踊れたら最高ですね~

2022年の夏は、素敵な思い出を私たちに与えて過ぎ去って行ったのでした。

未来の中之条は君たちに託した!

(Mina)








変わりゆく町の姿

今年の7月は中之条町で同時期に二つのイベントが開催されました。
中之条ビエンナーレではメイン会場となる旧廣盛酒造にて『押入れ百貨展』
四万温泉全域にて『温泉郷クラフトシアター』

どちらも中之条ビエンナーレに参加したことがあるアーティストが勢ぞろいで、ビエンナーレファンにとってはたまらない空間でしたね。
しかし、どちらのイベントも中之条ビエンナーレとは違った雰囲気でアーティストとの距離がとても近く、より深い交流ができたという方が多かったのではないでしょうか。
いろんな人のSNSでは#押入れ百貨展 #温泉郷クラフトシアター2022 のハッシュタグと共にたくさんの思い出が共有されており、そこに写っている人々は皆心から楽しんでいる笑顔ばかりでした。

アーティストと一緒に何かを作る体験、自分自身が作品の一部になる、同じ空間を共有できる。
このようなことが最近の中之条町周辺では当たり前になってきているように思えます。
自分が小学生、中学生くらいの時に、このような環境だったらもう少し違った感性の大人になれていたのかな?とか考えたり。
最近の中之条周辺の子供たちは羨ましいなー。と勝手に思ったりしています。
(全員がアートに興味を持つとは限らないですけどね!でも無駄ではない経験だと思う。)

しかし、当たり前な状況は最初から当たり前にあったわけではありません。
ここまでアートやアーティストが普段の生活に馴染むまでに、どれほどの時間と人々の努力が加わったのでしょうか。
受け入れた中之条町民、飛び込んできたアーティスト。
それぞれに、簡単には想像できないくらいの苦悩もあったと思うし、まだ問題が全て解決できているわけでもない。
次々と新たな問題が襲ってくる。
そんな中でフェードアウトしてくる人も出てくるわけで、でもそれは仕方がない事。
100%みんなが同じ気持ちで同じ方向に進むのはなかなか不可能に近いけど、少しでも同じ気持ちを共有できる繋がりが生まれるのは決して簡単な事ではなく、とても素晴らしいことだと思います。

『なんにもなくて、つまらない町だよ』と自分の故郷をネガティブに紹介しがちだったけど、今となっては、ちょっと自信を持って『遊びに来てみてね』と言える場所になってきていることがとても嬉しい。

ここまで町を輝かせてくれたアーティスト、町民、足を運んでくれる人、町外から支えて下さる全ての人に心から感謝!
そしてこれからも更に輝く場所となりますように。

(そして、自分は地元民として何か役に立てているのだろうか…と悩む日々でもあります!ある意味幸せな悩みですね。)

Mina





上州白久保のお茶講体験 其の弐

其の壱からのつづき…

お茶の準備を整えた一行は、いよいよお茶講体験へ。

まずは会場作りから。
ズラリと座布団を並べます。

それぞれ指定された場所に座ると、本名ではなく「花、龍、松、亀」などのお茶講の時に呼ばれる名前が書かれたササラ紙というものが配られます。
客は一回のみで、ほかのお茶は2回ずつ登場する仕組みですね。合計7回お茶を飲んでどれくらい当てられるかという遊びです。

まずは「天神様」と書かれたお茶を入れ、神様へ御供えしてから二礼二拍でご挨拶。
そのお茶が全員に配られ、いただきます。
その後、『とよみ』と言われる見本茶を一ノ茶、二ノ茶、三ノ茶、客の順番で試飲していきます。

見本茶を一通り飲んだら、いよいよお茶講本番が始まります!!
次に出されるお茶が何番のお茶なのか誰にもわからない状況で、一つずつお茶を味見していきます。
飲み終えるごとに、時計回りに順番に名前が呼ばれるので
『花』「三!」
『龍』「一…かな…?」
といった感じで、今飲んだお茶が何番のお茶なのか予想して答えていきます。

これがですね、なかなか難しいのですよ。
先程飲んだ見本茶を完璧に覚えたつもりなのに、どのお茶を飲んでも最後には甘茶の甘さがいつまでも口の中に居座る感じなので、少しずつ味覚が麻痺ってきて全然わからなくなっていきます。

そうなるとだんだん、「ちょっと待って…、さっき飲んだやつがやっぱり二ノ茶だったんじゃね?」
と自分自身を信じられなくなっていきます。
これがまた面白かったり。

一通りのお茶を7回飲んで、答え合わせです。
記録係の方が、一番目のお茶から当たった人の名前を呼んでいきます。
『花、鳥、風、亀…、』
「よしっ!当たったー!私、亀でーす!」
と手を挙げて主張。

当たった人は、景品として飴をゲットできます!(チョコレートとかの場合もあるらしい)
こういうときに貰えるお菓子とかって謎にテンション上がりません?そしてやけに美味しく感じるミステリー。

当たった人全員に分配されるので、当たった人数が少ないほど多くもらえるシステム。
一人勝ちで大量の飴を掻っ攫っていく強者も現れるわけです。
逆に、一問も正解できなかった場合は空の紙袋を持ち帰るという悲しい結末が待っています。お疲れ様です。

飴入れ用の黄色い紙袋がかわいい

正解した数によって「イチポ」(1問正解)、「フクベ」(2問正解)、「カラカサ」(3問正解)といった名で呼ばれ、「ハナカツギ」(全問正解)、あるいは「サカサッパナ」(全問不正解)の人が多く出た年は良い年になるといわれています。

この日は確か、ハナカツギもサカサッパナも居なかったような?(思い違いだったらすみません)
参加者全員が大人のみでしたが皆さん子供に戻ったように全力で楽しんでいらっしゃいました。

身近にこのような素晴らしい文化財が残っている事実が誇らしいと同時に、この行事を、この先の未来まで保存していかなければならないという危機感も感じました。
だからと言って、自分が今すぐ何か役に立つようなことを出来るというわけではないですが…
少しでもこの文化がたくさんの方に知っていただけたら良いなと思いこのブログを書きました。
今現在、お茶講保存会で保存活動をして下さっている方々に感謝しつつ、町民として何かしらの形で再び関わらせていただける日が来たら嬉しく思います。

お茶講体験にご興味がある方は、中之条町観光協会へお問い合わせください。
https://nakanojo-kanko.jp/
※新型コロナウイルスの影響により、通常通りお茶講体験の予約を受け付けていない場合がございますので予めご了承ください。

(Mina)

上州白久保のお茶講体験 其の壱

お久しぶりのブログ更新です。
体調管理が大変な時期ですが皆様いかがお過ごしでしょうか?

先日、中之条ビエンナーレ事務局スタッフ一同はイサマムラから徒歩約5分の場所にある白久保お茶講の家にて『上州白久保のお茶講』という行事を体験させていただきました。
お茶講は中之条町の白久保地区に古くから大切に伝承されてきた行事で、国指定重要無形民俗文化財にもなっています。

渋茶(煎茶)・甘茶・陳皮(みかんの皮を干したもの)を煎って、臼で挽いて粉末にし、4種類の混合茶を作り、それを飲み当てる遊びです。中世に行われた「闘茶」の流れを汲んでいるといわれています。

ここ数年はコロナの影響で開催できていないようですが、毎年2月24日には白久保天満宮の宵祭りとして「お茶講」が開催されます。

通常は、お茶を飲み当てる遊びの部分のみを体験できるのですが、本日は白久保お茶講保存会の方々にご指導いただきながらお茶を準備する段階から体験させていただける事に。なんと、嬉しいサプライズ。

この日は私達の他に、中之条町観光協会・博物館ミュゼ・中之条町役場観光商工課の職員の皆さんがご一緒でしたので、大勢でワイワイとした雰囲気に。

それでは早速お茶を準備していきましょー!

・まずは、陳皮、渋茶、甘茶を焦がさないように丁寧に炒っていきます。
良い香りが漂ってきました~

うーん!柑橘系のいい香り
囲炉裏ってほっこりしますね

・炒った材料を石臼で粉状に挽いていきます。
臼を両手で包むように持ち、交互に半回転ずつさせて摩擦をおこします。
力の加わる角度がしっかりできていないと上手く挽けないようで難しそうでした…!

がんばってー!
課長の体幹が強かったです

・お見事!サラサラパウダー状になりました!
甘茶は名前の通り本当に驚くほど甘くて、まるで砂糖のようでした。

粉末になった陳皮
うどんにかけたら美味しそう

甘茶ラテにしたら美味しそう

・粉末状にした陳皮、渋茶、甘茶をそれぞれ決められた分量ブレンドし、「一ノ茶」「ニノ茶」「三ノ茶」「客」の4種類のお茶を作ります。

お茶講の時の重要なカンペにもなりますよ!
ブレンドしたものをよく混ぜ合わせます
保存会の方が説明しながらお手本を見せてくださいます
それぞれ均等に分けます

・最後は綺麗に包んで、ついに完成ー!
ここまで約1時間半ほどかかりましたが、とても新鮮な体験だったのでと楽しみながら準備ができました。
『天神様』と書いてあるものはお茶講を始める前に神様へ御供えするものです。
お茶講は神事としても扱われているので、気が引き締まるような感じもありました。

さあ、戦いの準備が整ったところで…
いざ尋常に勝負といきますかー!!

其の弐へつづく

(Mina)

中之条は雪景色

中之条は数日前に雪が降り、すっかり冬景色になりました。
現在は展示会場となる場所の掃除・会場整備などを進めています。

中之条ビエンナーレ会期中は賑やかな会場たちですが、準備の時はひっそりと静まりかえっています。

今年はコロナの影響で、海外作家は作品を送ってもらい、リモート形式で作品設置をしており、今まで寒い時期に作品設置をすることはなかったので、1月の静まりかえった会場の雰囲気、作品が一つ一つ出来上がり、中之条ビエンナーレの片鱗が徐々に見えるのはスタッフの特権です。

中之条ビエンナーレは色々な顔があると思います。
2017のビエンナーレ、2019のビエンナーレ。2021はどんなビエンナーレになるのか・・・。
色々と不安定な時期ではありますが、様々な対策・方法をとって開催準備をしていきます。

(nishitake)