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上州白久保のお茶講体験 其の弐

其の壱からのつづき…

お茶の準備を整えた一行は、いよいよお茶講体験へ。

まずは会場作りから。
ズラリと座布団を並べます。

それぞれ指定された場所に座ると、本名ではなく「花、龍、松、亀」などのお茶講の時に呼ばれる名前が書かれたササラ紙というものが配られます。
客は一回のみで、ほかのお茶は2回ずつ登場する仕組みですね。合計7回お茶を飲んでどれくらい当てられるかという遊びです。

まずは「天神様」と書かれたお茶を入れ、神様へ御供えしてから二礼二拍でご挨拶。
そのお茶が全員に配られ、いただきます。
その後、『とよみ』と言われる見本茶を一ノ茶、二ノ茶、三ノ茶、客の順番で試飲していきます。

見本茶を一通り飲んだら、いよいよお茶講本番が始まります!!
次に出されるお茶が何番のお茶なのか誰にもわからない状況で、一つずつお茶を味見していきます。
飲み終えるごとに、時計回りに順番に名前が呼ばれるので
『花』「三!」
『龍』「一…かな…?」
といった感じで、今飲んだお茶が何番のお茶なのか予想して答えていきます。

これがですね、なかなか難しいのですよ。
先程飲んだ見本茶を完璧に覚えたつもりなのに、どのお茶を飲んでも最後には甘茶の甘さがいつまでも口の中に居座る感じなので、少しずつ味覚が麻痺ってきて全然わからなくなっていきます。

そうなるとだんだん、「ちょっと待って…、さっき飲んだやつがやっぱり二ノ茶だったんじゃね?」
と自分自身を信じられなくなっていきます。
これがまた面白かったり。

一通りのお茶を7回飲んで、答え合わせです。
記録係の方が、一番目のお茶から当たった人の名前を呼んでいきます。
『花、鳥、風、亀…、』
「よしっ!当たったー!私、亀でーす!」
と手を挙げて主張。

当たった人は、景品として飴をゲットできます!(チョコレートとかの場合もあるらしい)
こういうときに貰えるお菓子とかって謎にテンション上がりません?そしてやけに美味しく感じるミステリー。

当たった人全員に分配されるので、当たった人数が少ないほど多くもらえるシステム。
一人勝ちで大量の飴を掻っ攫っていく強者も現れるわけです。
逆に、一問も正解できなかった場合は空の紙袋を持ち帰るという悲しい結末が待っています。お疲れ様です。

飴入れ用の黄色い紙袋がかわいい

正解した数によって「イチポ」(1問正解)、「フクベ」(2問正解)、「カラカサ」(3問正解)といった名で呼ばれ、「ハナカツギ」(全問正解)、あるいは「サカサッパナ」(全問不正解)の人が多く出た年は良い年になるといわれています。

この日は確か、ハナカツギもサカサッパナも居なかったような?(思い違いだったらすみません)
参加者全員が大人のみでしたが皆さん子供に戻ったように全力で楽しんでいらっしゃいました。

身近にこのような素晴らしい文化財が残っている事実が誇らしいと同時に、この行事を、この先の未来まで保存していかなければならないという危機感も感じました。
だからと言って、自分が今すぐ何か役に立つようなことを出来るというわけではないですが…
少しでもこの文化がたくさんの方に知っていただけたら良いなと思いこのブログを書きました。
今現在、お茶講保存会で保存活動をして下さっている方々に感謝しつつ、町民として何かしらの形で再び関わらせていただける日が来たら嬉しく思います。

お茶講体験にご興味がある方は、中之条町観光協会へお問い合わせください。
https://nakanojo-kanko.jp/
※新型コロナウイルスの影響により、通常通りお茶講体験の予約を受け付けていない場合がございますので予めご了承ください。

(Mina)