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広州×中之条 『 対流風景 Convective Scenery 2018 』のご報告(制作編)

タイ・チェンマイの旅から我々事務局はそのまま中国は広州に移動しました。その報告をさせていただきます。

対流風景 Convective Scenery
Guangzhou × Nakanojo Exchange Exhibition
日程:2018年12月8日-2019年1月8日
場所:53美術館  
住所:广州市广园快速路汇景路汇苑街19号广州53美术馆

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参加作家は
山田 悠 Haruka Yamada  西岳拡貴 Hiroki Nishitake 江上 弘 Hiroshi Egami
村上郁 Kaoru Murakami  富樫智子 Satoko Togashi  東城信之介 Shinnosuke Tojo
渡邊 智子 Tomoko Watanabe 本郷芳哉 Yoshiya Hongo  美雷娅 · 莎贝尔 Mireya Samper
陈庆 Chen Qing 何利校 He Lixiao 施维娜 Shi Weina 王泽 Wang Ze
吴杰仁 Wu Jieren 谢子耿 Xie Zigeng

日本人作家、中国人作家、招待作家合わせて15名で行う国際交流展です。

ディレクター陣は
山重徹夫 Tetsuo Yamashige  肖丽 Xiao Li 李琼波 Li Qiongbo

以上メンバーで展覧会を作り上げていきました!

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本展示会場である53美術館。広々とした空間、高い天井。ここにどのように展示していくか楽しみです!

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まずは材料、買い出しということで、各々が求める材料を探しに出かけました。

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広州の卸売問屋街はとにかく巨大、尚且つ安い。世界中のバイヤーが集まる街と言われるだけあって、日本では高価でなかなか材料として使えない物も広州では破格の値段で買えたりします。
広州のレジデンスで感じたのは、各作家がそういった素材の価格などによりいつも使っている素材から解放されて、新しい試みにチャレンジできた事も大きかったのではないかと感じています。

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特にそれを感じたのは本郷さん。普段の制作スタイルの片鱗を残しつつ、素材を無理なく自然に吸収していたように感じます。これから色々な文脈に発展していきそうで、帰国した後もさらに実験を重ねるようです。今後の発展を見たい!

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本郷さんとは違う意味で素材と格闘していたのが東城さん。様々な素材を組み合わせて起こる現象を見逃さず、繊細に判断してインストールしていく。「男はまめじゃないとダメだ!」と言っていた事が、制作にも出ています。一番制作を楽しんで、一番苦労していいたようにも感じました。

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村上さんは本当にセンスの塊のような人で、繊細な作業と大胆な作業を絶妙なバランスで構成しておりました。何かの基準で仮置きされているだけかと思いきや、他の細かな構成が進むと仮置きが仮置きじゃなく見えてくる。ユーモアもあり、下の写真の中の小さな小窓が美術館の小さな穴に設置され、大胆さと繊細さとユーモアを象徴するような仕掛けもされていました。
東城さんと村上さんが何やら2人で話しています。お互い伝家の宝刀を持っているお2人。いつ出すかの相談中でしょうか。

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渡邊さんはとにかく全力で体当たりしている印象でした。フワッとした女性的な印象からは想像できないくらいのパワフルさで、板材を切り出していく光景、木組みをして構造を作っている姿は、中国ボランティアの方々も渡邊さんは女性なのに何でもできてすごい!と賞賛の嵐でした。実際最後まで作品に手を入れていたのは彼女であったと思います。広州での滞在中、おそらくずっと作品に正面から向かっていたと思います。

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山田さんは常にみんなを明るく盛り上げてくれる方でした。計画的に、確実に仕事を進める方でしたが、さすがに予想以上の巨大な高所作業車が来た時は我々含め、山田さんもちょっと驚きを隠せませんでしたが、さすが山田さん、クレーンで上に移動してすぐこちらの写真を撮るくらいの余裕っぷりでした。また以前からずっとやって見たかったというキャンバスへのペインティングの作品も初の試みとして展開しておりました。

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富樫さんもまた計画的で冷静な方でしたが、今回の展示では、写真ではない、墨を使ったペインティングペインティングを実験的に展開していました。リサーチ取材を重ね、中国の歴史や文化を十分に取り入れた上で感覚的にアウトプットしていく作品は、葛藤の部分が多かったようですが、その感情が作品として表現されていました。

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江上さんは多くのレジデンスを経験されている方でしたが、広州では発熱などに悩まされておりました。みんなも心配していましたが、体力が回復し、一気に作品を作り上げていきました。体調が悪い中でもベストを尽くし、今できる事を探っていく姿勢はさすがでした。あと、歌が上手い。山重ディレクターと江上さんは特に歌が上手い事が判明しました。