近年、訪れた土地に流れる川の水で布を洗い干す、「洗濯」と呼べるような行為を軸として、パフォーマンスや映像の作品を作っている。作品のなかで「洗濯」は、清めであったり染めであったり、汚すことでさえある多義的なものだ。今回、こうした制作の延長線にあった、汚れとはなにか、ということを巡る展示にしたい。それを汚れとして判断するのは、誰なのか、どのような背景があるのか。ひとから見れば汚れであり消したいもの、あるいは、決して消してはいけないものが、別の人から見れば、まったく逆であるということは、個人間だけでなく、国家と個人、国家と国家との間にも存在するものである。そうした価値観の交差する世界に、まず手にとれる「洗濯物」を浸し、浮かび上がるものを見ながら、今という時代との関係をなにか取り結ぶことができればと思う。
大和 由佳 「インク・ケチャップ・漂白剤」
2019年5月10日(金)‐6月10日(月)12:00-18:00 入場無料
OPEN 金曜日から月曜日まで12:00-18:00(※火曜・水曜・木曜定休)
5月11日(土)16時よりトークイベント/17時よりレセプションパーティーを行います。