look and look, looks / glasses (リクリエーション)、記憶の距離を測る(新作)パフォーマンス
私たちの日々置かれている見る、見られるという流動的関係から考える自分と他者の関係性、交換可能性について。
パフォーマーと観客がフラットになったカオスな状態において人間の限界を再現する。
私たちは普段社会に生きる中で常に見る見られるという流動的な関係の中に置かれている。作品は演者と観客がフラットな状態で始まり、 そしてフラットな状態に戻り終わる。パフォーマンスの中で演者の動きと観客の動きが同期し、観客は作品に呑み込まれる構造をとる。これらによりパフォーマーとビューワーの線引きはより曖昧になり、演じる役割が流動的になる。全ては見ている自分と見られている相手が極めて近い存在であり、その交換可能性について分かり易く示唆するためである。
この関係性について、まず考えなくてはならないのが「人間が人間を見る」ということについてである。生身の人間を見る、つまり他人を見るということは世界で物質的に最も自分に近いものを見るということだと言える。自分を客観的に見ることが不可能な限り、自分というものを見るには自分に似たようなものを見て自分を感じ取るほかない。自分の外側の世界において他人より自分に近いものはない。他人を見るということは自分を見ていることと同義でもある。突き詰めれば私は何であり、あなたと私は一体どこが違うのかといった根源的な問いに通じる。見る見られるという関係性を通じて自分と他者との曖昧な距離感から社会における集団を再考し、私たち人間について考えたい。
日時:5月4日 16:00〜16:30
– 5月5日 16:00〜16:30
作家:敷地 理 Osamu Shikichi
会場:旧廣盛酒造(蔵)