81年前の今日。
今私が滞在している台湾・澎湖の望安島には、かつて「震洋」という一人乗り用特攻艇の基地がありました。
九州から派遣された50名の若い隊員たちと、玄武岩の硬い岩肌を掘って格納庫やレールを作らされた島の整備動員の方々。終戦により出撃は免れ、全員が故郷へ戻ることができましたが、その記憶は長年静かに閉ざされていました。
今回私たち中之条ビエンナーレのアーティストを招待してくれたイリンさんのご自宅は、その歴史が残る花宅集落にあります。学者であったイリンのお父様が格納庫を調査しドキュメンタリー映画を撮られたことをきっかけに、元隊員の波佐義明さんが40年ぶりにこの地を再訪されたそうです。私達はこの望安島にて、そのイリンさんのお父様の制作された特攻隊震洋のドキュメンタリー映画に出会ったのです。
かつて悲壮な覚悟と、過酷な労働が存在した同じ場所で、今、私たちはアートを通じて言葉を交わし、笑顔で未来の話をしています。
過去の歴史の重みを感じつつ、この土地と人々が紡いできた時間の線の上に立てていることに感謝しながら、今回の滞在と展覧会に向き合いたいと思います。
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