時は幕末。戊辰戦争の真っ只中。弱体化した幕府に付け込んで、「世直し」と叫びつつ裕福な家を襲う「打ちこわし」が多発していた。暴徒らは次第に北上し、いよいよ中之条にもその手が及ぼうとしていた。代官すら恐れをなして逃げ出す中、町役人らは自衛するより他方法なしと、その指南役に、幕府
の重役を解かれ高崎の権田村に隠棲していた小栗上野介を招聘しようと画策を始めた。一方、小栗も、幕府の多額の金を持ち逃げしたというあらぬ噂のために打ちこわしの標的となっていたのだった…。

悲運の天才・小栗上野介を軸に、健気にも時代の変化に立ち向かう人々を描く紅月版幕末ブルース劇。

脚本・演出:石倉正英
出演:若林“カムイ”宏彰、石倉正英、河田“カルロス”啓介、折笠安彦、ピエール野比、ほか
音楽:近藤治夫(古楽器、バグパイプ)、飯塚直(フエ、声)
照明・衣装・美術:Tomoe
諸般:増田透
製作:伊藤美友、秋元淳、本岡知美